ハタチの記念式典に振袖を着る理由って?! 成り立ちから解説!
もくじ
◇ハタチの記念式典に振袖を着る理由って?
◇振袖はいつからあるの?
◇袖に秘められた意味
ハタチの記念式典に振袖を着る理由って?
ハタチの記念式典の女性の装いとして定番となっている振袖。
着物の中でも特に華やかで存在感があり、憧れている女性も多いはず。
でも、なぜハタチの記念式典に振袖を着るのでしょう?
ハタチの記念式典や振袖の意味を知ると、振袖で迎えるハタチの記念式典がいっそう感慨深いものになるかもしれません。
■成人は人生の大きな節目
冠婚葬祭という言葉の中で、「冠」にあたるのが成人式。
日本古来の4大儀式のひとつに数えられているほど、成人になることは人生において重要な節目なのです。
●昔の成人式は、性別や身分によりさまざま
数え歳で12〜16歳になると、武家の男子は「元服」、公家の女子は「裳着」と呼ばれる成人の儀式を行ない、髪型や衣裳を大人仕様にチェンジしました。
庶民の成人式はまた別で、例えばある農村では「60kgの米俵を1人で運べたら一人前」など、地域によりさまざまだったようです。
●現在のハタチの記念式典は、埼玉が発祥の地
今のハタチの記念式典のスタイルは、敗戦後の1946年に埼玉県の蕨町で開催された「青年祭」の中のプログラム、「成年式」が始まり。
次代を担う青年を励ますためのイベントでした。
1948年には、「大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます」ことを趣旨として「成人の日」(国民の祝日)が制定されました。
振袖はいつからあるの?
振袖の始まりは江戸時代と言われています。初期の振袖は袖丈55cm程度で、今と比べるとだいぶ短いですね。
伝統的な振袖も、時代の流れとともに変化してきました。
●袖が長くなったのは江戸時代
振袖の元は、体温を逃がすために脇を大きく開けた子供用の小袖。
男女ともに着られる実用的なもので、18歳頃になると脇をふさいで袖を短くして着ました。
江戸時代前期、若い女性(小袖の脇をふさぐ前の年齢)の着物の袖丈が次第に長くなります。
諸説ありますが、踊りや歌舞伎の舞台で身振りを美しく見せるために袖の長い振袖が登場し、それを若い女性達がマネをして大流行したとか。
江戸時代後期には、振袖が子供や未婚女性の衣装として広まりました。
●明治時代以降、未婚女性の正装に
明治時代に入ると振袖の袖はかなり長くなり、色彩もより鮮やかに。
ハレの日やあらたまった席にふさわしい、未婚女性の第一礼装として定着しました。
現在は袖の長さによって
大振袖(袖丈115cm程度)、中振袖(105cm程度)、小振袖(85cm程度)と3種類にわかれ、
袖が長いほど格が高くなります。
袖に秘められた意味
●袖で示す恋愛サイン
江戸時代、振袖の長い袖は恋愛のサインに使われていました。
男性の求婚に応じる場合は袖を左右に振る、求婚を受け入れない場合は前後に振るというように。
つまり、既婚女性は袖を振る必要がないことから、振袖は未婚女性のものという意味もあるわけです。
●振袖で厄を払い、身を清める
古来より「振る」というしぐさには神様を呼び寄せる、厄を払う、場を清めるなどの力があるとされています。
神社では神主さんが玉串を振ってお祓いをしますよね。
長い袖を振る振袖には、良縁を呼び、厄払いやお清めの効果もあると考えられました。
■娘のハレの日に込められた思い
ハタチの記念式典で振袖を着るのは、単に華やかで美しいからだけでなく、深い意味があったのです。
格式の高い「冠」の儀式だから、第一礼装で。人生の大切な節目だから、よいご縁や厄よけを願って。
そして、一生に一度の晴れ舞台がよい思い出になるようにという親心も…。
振袖ってただきれいだから、カワイイから着るわけではないんですね。
皆さんも振袖を着て、ハタチの記念式典当日を楽しんでくださいね!