振袖の色や柄には意味がある?! 色・柄別に解説!
未婚女性の第一礼装とされる振袖ですが、その色や柄にはさまざまな意味が込められているのをご存知ですか?
色や柄選びに迷った時、それぞれの持つ意味やイメージを参考にしてみるとおもしろいかもしれません。
ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。
もくじ
◇日本人の繊細な色彩感覚
◇身の回りのあらゆるものを文様に
◇最後に
日本人の繊細な色彩感覚
日本人は古来より、四季の移り変わりによる色彩の変化を敏感に感じ取ってきました。
植物の色や、虫や鳥の羽などに美しさを見出し、衣服の色に取り込んできたのです。
例えば「赤」なら朱色、緋色、赤紅色など、実に豊かな色数があります。
赤
赤は魔除けの意味を持ちます。太陽や火、血の色でもあり、古くから神聖な色とされてきました。
日本で古くから信仰されてきた神道の主神であるアマテラス神は太陽の神ですので、太陽の色である赤は「神の力が宿った色」ということになります。
ピンク
桃色や桜色、ローズなど、女性らしく可愛い色み。愛、幸せ、思いやり、可愛らしさなどの女性らしさをイメージさせ、優しさや柔らかさを感じさせます。
緑
自然や植物をイメージさせる緑は、穏やかな癒やしの色。緩やかな変化、若々しさ、安定感や調和を表します。
青
晴れ渡る空や美しい海をイメージさせる青。冷静さを意味し、知性を表す色でもあります。
紫
日本だけでなく世界的にも「高貴な色」とされます。優雅さや高級感を感じさせます。
また、紫には神秘的な雰囲気や熟した果実のイメージもあるため、紫色の着物は成熟した大人の奥深さと品格を備えています。
白
清らかで、汚れのないものの象徴として使用される白。
花嫁さんが着る白無垢やウエディングドレスなどでも良く目にしますが無垢で清楚な印象を与えます。
黒
日が沈んだ夜の空色である黒も、古くから神秘的な色とされています。
すべての色を吸収した色であり、何色にも染まらない色でもある黒。
「神秘的」「高級」なイメージを持たれる為、大人っぽくて強い女性のイメージです。
身の回りのあらゆるものを文様に
動物、植物、乗り物、道具などの身近なものモチーフにした柄や、
さらには自然現象や風景にいたるまでさまざまなものが文様化されてきました。
そこには季節や品格、願いごとなどが表されています。
【花柄】
振袖と言えば花柄をイメージする人は多いはず。
色鮮やか花々が組み合わされた振袖は、とても美しく華やかな雰囲気を醸し出します。
桜、梅、藤、菊、牡丹、バラなど。桜ひとつとっても、八重桜、枝垂桜、桜吹雪などバリエーションが豊富です。
桜
日本の国花であり、いっせいに咲き誇る姿から「繁栄」「豊かさ」の象徴と言われます。
そして春に咲く花であることから、おめでたい花として昔から日本の人々に愛されています。
藤
垂れ下がりながら咲くという特徴が振袖のように見えることから、藤は女性の象徴とされています。
また、花言葉の「歓迎」は、客を出迎える振袖女性のイメージからつけられた花言葉と考えられています。
梅
厳寒の中で咲くことから、逆境に耐える人生の理想とされます。
花言葉は、「上品」「高潔」「忍耐」「忠実」です。
菊
皇室の御紋にも使われているとても高貴な花で、長寿を象徴する代表的な花です。
古くから浄化、厄除けの作用があるとされ、邪気を払う縁起物として尊ばれてきました。
バラ
ピンクは上品さ、白は清純さ、黄色は友情などの意味を持ちます。
また、バラは色によっても違い、赤は愛情、青は奇跡、白は清純などの意味合いもプラスされます。
【おめでたい柄】
「よい前兆」という意味の吉祥文様は、縁起のよい柄としてお祝いの席で好まれます。
鶴、亀、鳳凰、松竹梅など多くは中国から伝わったものですが、
熨斗、橘、御所車、貝桶、宝尽くし文など日本で生まれた柄もあります。
鶴、亀 → 「鶴は千年、亀は万年」と言われるように長寿のシンボル
扇 → 繁盛・開運の吉兆。邪悪を避け、福を招くとも言われます
御所車 → 平安時代の貴族の乗り物で、雅な王朝文化の象徴です
格調の高い柄
平安時代、貴族に必要とされた「有職(ゆうそく)」という決まりごとに基づく柄を有職文様と呼びます。
品格のある幾何学的なデザインで、丸文、菱文、立涌、亀甲文などがあります。
最後に
如何でしたか?
もちろんみなさんがかわいいと思う振袖を選ぶのが一番です。
しかし、振袖には今回記載した通りそれぞれに意味があります。
決めた後でも良いので選んだ振袖の色や柄、描かれた花の意味を知っていれば、更に選んだ振袖が好きになると思いますよ。
一生に一度きりの成人式。思い切り楽しんで、楽しい思い出を作ってくださいね!